学資保険と貯金、効率よく貯蓄できるのはどっち?それぞれの特徴をFPが解説

子供の将来のために学資金を準備しておきたいと考えた時、その方法として候補に上がるのが学資保険です。

しかし学資保険は種類が多いため、一番メリットが大きい学資保険はどれなのかを選ぶのは大変です。

学資保険の種類によっては払い込んだ額以上のお金が返ってくるものもあれば、満期であっても元金割れしてしまう保険もあります。

そうなってくると、学資保険ではなくて貯金でもいいのではないか、と考えてしまうこともあるでしょう。

実際、学資保険は貯金の代わりになるのでしょうか。

また、学資保険に加入することと貯金とではどちらの方がメリットが大きいのでしょうか。

今回は、学資保険と貯金のそれぞれのメリットやデメリットを比較してご紹介します。

貯金のメリット:元金保障と自由度の高さ

まずは、貯金のメリットからご紹介していきます。貯金のメリットは大きく2つです。

自由度が高い

貯金のメリットの一つが、自由度が高いことです。

子供が生まれてから大学に入るまでには20年近くの期間がありますが、その間には色々なアクシデントが起きることもあるでしょう。

例えば家族の誰かが病気や怪我をしてしまう、突発的な事故にあってしまう、といったトラブルの他にも、引っ越しや転勤、転職するなど、一時的にお金が必要な時期が出てくることがあります。

学資保険では手元に資金をプールしておくことができないため、何かあった時に使えるお金が手元になくて困ることがあります。

しかし貯金なら預金を切り崩すことができます。このように、貯金の方が自由度が高いメリットがあります。

途中解約しても元金割れがない

もし何らかの事情があって途中で預金口座を解約することになったとしても、貯金であれば元金割れすることはありません。

これも大きなメリットです。

一方学資保険では、途中で解約してしまうと払い込んだ額がそのまま戻ってくることはありません。

貯金のデメリットは利息

次に貯金のデメリットについてご紹介します。

利息が低い

バブルが崩壊してから金利がどんどん下がり、ついにマイナス金利となってしまいました。

マイナス金利はデメリットとなるだけではなく、住宅ローンの借り入れの際などにも金利が下がっているため、恩恵を受けることも多いもの。

しかし、同じく預金の利息も低金利となってしまっているため、今では定期預金に預けてもほとんど利息がつきません。

定期預金の中では、年利が0.1%どころか0.01%のような低い金利が設定されているものもあります。

今の状況では、普通に銀行に預けて貯金をしても資金を増やすことはできません。

引き出しやすいため貯蓄がしにくい面も


もうひとつデメリットになりやすいところとして、切り崩しやすいために貯金の強制力が働きにくいことが挙げられます。

計画的に貯金をすることが苦手ではない人は、切り崩しやすくても特に問題はないでしょう。

しかし、中には貯金することが苦手な人も少なくありません。

そうすると、すぐに引き出せたり切り崩したりできることでついつい切り崩してしまい、気がついたら全然貯金ができていなかった、という事態にもなりかねません。

計画的に貯金をすることが苦手な人にとっては、引き出しやすいというところはデメリットになります。

利息があっても20%が引かれる

もうひとつのデメリットが、利息にかかる税金が高いところです。

税金は、所得税が15%、さらに地方税が5%かかります。

ただでさえ定期預金の利息は低くなっていますが、さらにそこから20%の税金が引かれるのです。

返戻率や保障など、学資保険のメリット

次に学資保険のメリットについてご紹介します。

学資保険のメリットは4つです。

返戻率が高い

大きなメリットとしては、返戻率が高いことです。

ソニー生命など、多くの保険が返戻率100%を超えています。

返戻率が100%を超えているということは、払い込んだ保険料よりも受取保険金の方が大きいということ。

学資保険の大きな目的が学資金のための貯蓄という意味合いであることを考えると、返戻率が高いのは大きなメリットといえるでしょう。

強制的に貯蓄ができる

もうひとつのメリットが、強制的に貯蓄ができることです。

これは貯金のデメリットとしても見られることですが、人によっては、貯金が切り崩しやすいとなかなか計画的に為続けることができません。

学資保険の場合は、月払いであれば毎月、年払いであれば年に一回保険料が引き落とされます。

保険によっては、口座振替だけでなくクレジットカード払いができることもあります。

また、途中で解約すると返戻率が低くなってしまうため、途中で解約をすることに対しても抑制力が働きやすいのです。

半強制的に貯蓄ができるところも、学資保険のメリットです。

万が一の保障がある

学資保険は将来の学資金のための貯蓄型保険ですが、ほとんどの学資保険に「払込免除特約」が付いています。

払込免除特約というのは、契約者が死亡、または高度障害などの状態なった時にそれ以降の保険料の払込免除になるという特約です。

払込免除特約が付いていることによって、万が一のときも安心できます。

また、学資保険によっては子供の医療特約をつけられる保険もあります。

医療特約をつけることによって返戻率が下がるというデメリットはあるものの、小さい子供は何かと怪我や病気になる可能性が高いため、こういった万が一の保障があることは安心材料になります。

税金を節約できる


払い込んだ学資保険は、年末調整や確定申告の際に「生命保険料控除」として控除の対象になります。

学資保険の契約時期によっても異なりますが、最大で5万円が所得から控除されます。

所得が下がることによって所得税や住民税を節税することができるため、この点も学資保険のメリットです。

流動性が低いところが学資保険のデメリット

一方で、学資保険にはデメリットもあります。

中途解約すると元金割れする

基本的に、学資保険のほぼ全てが途中解約すると元金割れします。

途中解約した時にどれくらいのお金は返ってくるのかは解約返戻率や契約している期間によって変わってきますが、契約期間が短ければ短いほど解約返戻率が低いという特徴があります。

子供が小さい時期は、病気や怪我をしたり事故に巻き込まれてしまったりというアクシデントのリスクが高いものです。それに伴って、突発的に出費が必要になることも出てくるかもしれません。

一時的な出費であれば、学資保険の貸付金制度を活用するなどしてしのぐ方法もあります。

しかし、学資保険そのものが長期間にわたって家計の負担になってしまうことも考えられます。

途中解約のリスクというのはどうしてもついて回るものです。

不要なときでも解約になる

子供の大学入学費用として学資保険に加入していたけれど、子供が大学に入学しなかった、あるいは、他で資金がまかなえたので学資保険を使う必要がなかった、ということもありえます。

その場合でも学資保険の満期の時期は変えられません。

そのため、時期が来れば解約しなければいけません。保険を解約したら、それ以降の保障はもちろんありません。

固定金利なのでインフレに弱い

学資保険を言い換えれば、固定金利の貯蓄型保険であるということができます。

学資保険は満期になるまで金利が変わりません。

しかし今は低金利の時代になっているので、今後市場が回復して金利が上がることも考えられます。

市場の金利が上がったり景気が良くなったりした時には、大学の学費や生活費などの消費自体が底上げしている可能性もあります。

しかし学資保険は固定金利なので、そのようなインフラに対応することができません。

もし今後もっと利率の良い学資保険が出てきたとしても、現在加入している学資保険から乗り換えるのは元金割れのリスクがあるため難しいもの。

このように、固定金利なのでインフレに弱いというのも学資保険の一つのデメリットです。

保険会社が破綻するリスクがある

バブルが崩壊し、日本の景気が悪くなった時には多くの銀行が破綻しましたが、保険会社もいくつか破綻しました。

今でもそのリスクは完全になくなったわけではなく、今後も破綻するリスクは残っています。

もしも学資保険に加入している保険会社が破綻したとしても、他の保険会社が保険を引き継げば、そのまま学資保険に加入し続けることができます。

ただ、今と同じ条件で加入し続けることができる保障はありません。

過去実際にあった事例としては、保険を早期解約や予定利率の引き下げなど、条件が悪化したことがありました。

保険会社が破綻するリスクがあることも、学資保険のデメリットです。

学資保険と貯金に関するよくある悩み


学資保険に加入しようか、貯金にしようかと悩む人も少なくありません。

学資保険と貯金で悩みやすいケースをご紹介します。

2人目、3人目も学資保険に加入した方がいいのか

1人目の子供の時は学資保険に加入したものの、子供が2人、3人と生まれた時に、同じように学資保険に加入するかを悩む人は多いものです。

同じように学資保険に加入するとすると、保険料の負担が重たくなります。

ここで考えておきたいのは、学資保険の解約返戻率の低さです。

具体的にどれぐらいの解約返戻率になるのかは保険で違いますし、契約期間によっても違ってきますが、少なくとも途中で解約した時には、100%を切ることにはなります。

そのため、途中で保険料が払えなくなってしまう可能性が高まります。

家計を切り詰めながら学資保険に無理して加入するくらいなら、せめて3人目以降は学資保険ではなく貯蓄にしておき、何かあった時には資金が出せるようにしておくというのも一つの方法です。

まとまった貯金があるとき、全てを学資保険に回すべきか

また、数百万というまとまった貯金をすべて学資保険に回すべきか、それとも定期預金に入れるべきかで迷っているという声も聞かれます。

定期預金に入れたとしても利息がほとんど付かないため増えることはありませんが、途中で定期預金を解約したとしても、元金割れすることはありません。

一方で返戻率の高い学資保険に加入しておけば、満期になった時には払い込んだ保険料もよりも高い学資金を受け取ることができます。

さらに、年払いや月払いでもなく一括払いで前納しておけば、返戻率はさらに高くなります。

とはいえ、途中解約をするリスクは残ります。仮に300万というまとまったお金があって、その全てを学資保険に預け入れたとしましょう。

しかし途中で必要なお金が出てきたため、仕方がなく学資保険を途中で解約をすることになったとします。

この時の解約返戻率が70%であった場合、90万は返ってきません。

このようなことが起きる可能性があることを考えると、まとまったお金のすべてを学資保険に入れることはあまりおすすめできません。

このようなケースでは、学資保険には一部預け入れをし、残りは貯金に回すというように、学資保険と貯金を併用するとリスクを分散させることができます。

貯蓄するためには他の方法もある

学資保険は、満期まで預け入れをしておくと返戻率によっては払い込んだ保険料よりも受け取るお金の方が高くなりますが、その反面、途中で解約した場合は解約返戻率が低いというデメリットがあります。

学資保険だけに頼るのではなく、貯金や他の貯蓄方法も合わせて併用することで、さらにリスクを分散することができそうです。

貯蓄するための他の方法にはどのような方法があるのでしょうか。

サラリーマンなら活用したい財形貯蓄


もしもサラリーマンなどの給与所得者であるなら、財形貯蓄もお勧めです。

財形貯蓄は給料から自分的に天引きされるため、強制的に貯蓄ができるというメリットがあります。

NISAなどで資産運用

学資保健や貯蓄と合わせて併用することで大きなリターンを期待することできるのが、NISAなどの資産運用です。

資産運用にも運用次第では元金割れをするというリスクがありますが、上手くいけば貯金とは比べ物にならないほどの利回りを期待することができます。

例えば、毎月5,000円を18年間積立して利回りが2%で運用できた場合、18年後の最終積立金額は約130万円となります。

単に貯金していたとすると、18年後には108万円にしかならないため、20万以上のリターンが出るわけです。

学資保険で資産運用を活用するときには、資金を大きく増やすというよりは、なるべく減らさずに少しでも増やすというところに重点を置き、ローリスクの投資商品を選ぶことで、リスクを低く抑えることもできます。

まとめ

学資保険と貯金のどちらを選ぶべきかで迷っている人のために、学資保険と貯金の両方のメリットやデメリットについてご紹介しました。

どちらにもメリット、デメリットがあるため、うまく併用することで効果的に学資金を貯めることができるのではないでしょうか。

学資保険や貯金以外にも、貯蓄の方法はあります。自分にとって一番活用しやすいスタイルを見つけてくださいね。

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