生命保険の「掛け捨て」は損か得か?!FPが掛け捨て保険のメリットとデメリットを解説

生命保険、「掛け捨て」は損か得か?!

ここでは、いわゆる「掛け捨て」と言われる保険について、その特徴とメリットデメリット、そして掛け捨てタイプが向いている人とそうではない人について、ご説明をしていきます。

「掛け捨て」って…、保険料は捨てられてるの?!

まず最初に、「掛け捨て」という言葉についてご説明をします。

この「掛け捨て」と言う言葉は、なんだか損をするような、悪いイメージがある言葉かもしれません。

また、「掛け捨ての保険」と「貯蓄性の保険」など、種類も様々あって、どのような保険を選べばよいのかわからないという悩みもあるかと思います。

けれどもご安心ください。

この記事では、保険を考えるにあたって最も基本的な「掛け捨て」と「貯蓄性」の保険の違いをご説明し、どのような保険がご自身にピッタリなのかをお伝えしたいと思います。

この違いがわかれば、どちらが損か得かというのではなく、単に商品特性であるということをご理解いただけるかと思います。

そして、それはただ、自分のライフスタイルに合うか合わないかだけの違いでもあります。

上手に利用をしたら、人生の大きな味方となる生命保険。

これから入るにあたって後悔のないよう、詳しく見ていきましょう。

「掛け捨て」という言葉の意味

まず「掛け捨て」と言うのは、解約返戻金や満期保険金がないものですが、だからと言って、支払われた保険料が捨てられているわけではありません。

保険期間中は保障があり、その保障の代金になるからです。

逆に、解約返戻金や満期保険金があるタイプの、「貯蓄性商品」と呼ばれる保険は、「掛け捨て」部分の保障に貯蓄部分をプラスアルファして、保険料を支払っていることになります。

「掛け捨て」と「貯蓄性」の違い

さて、先ほどは「掛け捨て」に対比させて、「貯蓄性商品」という言葉が出てきました。この項目では、「貯蓄性商品」についてご説明をしましょう。

貯蓄性商品とは、「貯蓄型」や「積立タイプ」と呼ばれたりしますが、その名の通り保険料には貯蓄部分が含まれています。

そして満期になった時は満期保険金が受け取れたり、中途解約をした場合には解約返戻金が受け取れます。

この時、支払った保険料に対して戻ってくる解約返戻金の割合を返戻率と言います。

そして返戻率が100%以上だと、払った金額より多く戻ってくるという意味になります。

ただし、終身保険は長期の保障を前提としており、多くの場合返戻率を100%以上にするには、100歳を超える年齢が設定されています。

そのため、ほとんどの保険商品では中途で解約をすると、払った額に対して元本割れをするリスクがあるので注意が必要です。

掛け捨てタイプは、貯蓄性がない分、保障に特化している保険です。

積立部分がない分、貯蓄性商品より保険料も安いのが特徴です。

また、保障を受けられる期間も、「10年間」や「80歳まで」と、期間を定めることもできます。

途中で解約したり、満期を迎えても戻ってくるお金はなく、あったとしても非常に少額であることが特長です。

掛け捨ての保険の種類


さて、ひとくちに「掛け捨て保険」と言っても、いくつか種類があります。

ここでは、最も一般的な「定期保険」を筆頭に、ほかの種類の保険の掛け捨てタイプの特長もご説明をしましょう。

定期保険

定期保険は、安い保険料で高額の死亡保険金が受け取れる、掛け捨てタイプの典型的な保険です。

保障内容は、「死亡」と「高度障害」にしぼられています。

このタイプの保険は、一定の期間だけ大きな死亡保障が欲しいという人に向いています。

たとえば、亡くなった時に必ず必要となるお葬式代は、貯蓄性商品である終身保険で用意をする。

けれども子どもが独立するまでの期間、万が一のことがあれば手厚い保障が欲しいといった場合は、その期間は定期保険で大きな保障を用意するといったケースです。

ただし更新の際には、その時の年齢や保険料率で保険料は上がるので、ライフステージに過不足のない保障をきちんと計算する必要があります。

収入保障保険


こちらは、死亡保険金を一括で受け取る定期保険と違って、分割で受け取るというもの。

毎月あるいは毎年、給料のように一定額を受け取るため、収入保障保険という名前がついています。

定期保険と比べると、月々に支払う保険料は安くなることが特長。

加入時に定める保険期間の終了が近づくにつれ、保険金を受け取る回数が減っていくのが特長です。

定期保険では、世帯主が子どもの小さい時に加入し、更新の際に、子どもの成長とともに不要となった保障を減らすということが一般的です。

けれども収入保障保険は、将来減額予定分を前もって減らしておくことで、最初から保険料を安く抑えるというメリットがあります。

保険金を受け取る形から、定期保険を「四角の保険」、収入保障保険を「三角の保険」と言ったりします。

効率的に保険料を払っていきたい場合には、ちょうどよい保険と言えるでしょう。

就労不能保険

就労不能保険とは、働けなくなるリスクにそなえた保険です。

会社によっては「就業不能保険」と言ったりしますが意味は同じです。

この就労不能保険は、ここ数年各社ともに力を入れており、個性的なテレビCMを見た方も多いのではないでしょうか。

被保険者が病気やケガで働けなくなった場合、会社員だと傷病手当金を受け取ることができます。

金額は給料の3分の2、最長1年半にわたり受け取ることが可能です。

けれども、それ以降は収入がなくなってしまいます。

さらに自営業の場合は、そもそも傷病手当金を受け取ることができません。

昨今の医療技術の発達により、病気やケガをしてから亡くなる期間というのは、年々長期化していく傾向にあります。

かつては、世帯主が亡くなった場合、残された家族が生活に困るというリスクから、保険と言えば死亡保障の保険を指していました。

けれども近年はそういった時代背景より、亡くなった時のリスクよりも、働けなくなった時のリスクも大きくクローズアップされています。

そしてそのようなニーズにこたえた保険が、この就労不能保険なのです。

さてこの就労不能保険ですが、先述の項目の「収入保障保険」とどう違うのか?と思われる方もいらっしゃるかと思います。

違いをご説明しますと、

・「就労不能保険」―自分が働けなくなった時に支払われる。
・「収入保障保険」―自分が亡くなった時、残された家族に支払われる。

違いは簡単です。

就労不能保険は自分のために。

収入保障保険は、遺族のための保険になります。

また、定期保険と収入保険は、死亡時と高度障害時に支払われるもの。

つまり給付事由は各社一律です。

けれども「働けなくなった」の判断基準については、各社で違いがあります。

また、そもそも働いていない「専業主婦」「学生」でも入れる会社と、入れない会社があるなどといった違いもあります。

また、障害認定におけるもっとも多い理由はメンタル疾患ですが、取り扱っている会社と取り扱ってない会社もあるので、加入の際には支給要件の確認はたいへん重要になります。

医療保険


医療保険は、病気やケガによる入院や手術にそなえた保険。

もしも病気になった時、どれだけの出費になるかわからないリスクにそなえます。

保障内容は、おもに入院給付金と手術給付金の二つです。

治療費に貯金を使いたくないという人におすすめです。

この医療保険も、定期保険とならび掛け捨ての保険の筆頭とも言えるでしょう。

掛ける期間は、10年間の定期タイプから、一生涯掛け続ける終身払いのもの、有期払いのものなどがあります。

有期払いは短期払いとも言い、「〇歳まで」と定められた期間を払い終わると、以降は一生涯医療の保障が続くというものです。

払い方はいくつか種類があるのですが、こちらも解約した場合は解約返戻金はゼロか、ほとんどないものが一般的です。

がん保険

こちらは、がんにかかった場合に給付金が支払われる保険です。

がんと診断されたら受け取れる「診断一時金」と、それに加えてがんによる入院・手術費用も給付される内容など、会社や商品によって内容は異なります。

がん保険発売当初は、解約返戻金が出る貯蓄タイプが多かったのですが、現在はほとんど掛け捨てタイプになっています。

また、保険会社ががん保険の対象とするのは、「悪性新生物」と「上皮内新生物」の2種類になります。

けれども、「上皮内新生物」は転移の可能性が少ないため、保障の対象外にしていたり、支払う際の保険金を少なくしているなど、「悪性新生物」とは異なる扱いにしていることがほとんどですので、注意が必要でしょう。

がん保険には、似たものに「三大疾病保障保険」という保険があります。

こちらは「がん」「急性心筋梗塞」「脳卒中」になった場合保険金が支払われるというもの。

がんが含まれているため、がん保険と混同する人も多いかと思います。

けれども最大の違いは、三大疾病保障保険のほうは解約返戻金があるケースが多いということ。

がん保険は一般的に掛け捨てのものが主流ですが、三大疾病保障保険は、会社によっては掛け捨てではないので、そこは大きな違いになります。

また事故死など、3つの支払事由に該当せず亡くなった場合でも死亡保険金がおりるので、その点もがん保険とは大きく違うところです。

掛け捨て保険のメリットデメリット


さて、今まで掛け捨て保険の特長についてご説明をしてきました。

ここからは、それらをふまえて、掛け捨て保険のメリットデメリットについてご説明をしていきます。

メリットー「安い」

メリットはとてもシンプルで、保障内容に比べて保険料が安いということ。

お金を貯めるという機能を排し、万一の場合(死亡や病気など)に支払う可能性のみにしぼっているため、保険料は貯蓄性に比べ安く設定されています。

デメリット

先ほども触れたとおり、保険料が安い分、解約返戻金や満期金は少ない、もしくはまったくありません。

もちろん掛けている間は保障があるとはいえ、それを「掛け金を捨てている」のような感覚になる人には、向いていない保険と言えるでしょう。

まとめ

最後に、「掛け捨て保険に向いている人」についてまとめてみます。

何度も書いていますが、お子さんがまだ小さい若い親御さんなど、定まった期間に大きな保障が必要な人には、安い金額で大きな保障を持てる掛け捨ての保険は、最適かと思います。

またもう一点、「掛け捨ては損だからその分を貯金したい」という人には、ぜひ伝えたいことがひとつあります。

それは「貯金がたまるまで、病気や死亡は待ってくれますか?」ということ。

保険は加入した日(成立した日)から、もしものことがあれば保険金が受け取れます。

けれども、不測の事態は不測の事態であって、こちらの都合に関係なく起こるものです。

だからこその保険と言えるでしょう。

保険が損か得か?を考える時には、忘れてはならない視点と言えます。

掛け捨ては、上手に利用すれば大きな安心につながります。

ご自身のライフステージにあわせて、ぜひ最適な保障をご用意することをおすすめします。

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